うちのワンコの話(後編)

うちの2ワンコずのネタを前、後編に分けてお送りしています

あとちょっとだけおつきあいくださいな。

あ、今回のサムネイルはランちゃんの方です。


さてタクシーの運転手に蹴飛ばされていたチワワの【ハナ】ちゃんを保護してシェルターに預けたけど、やっぱり気になるし、それから毎回釜山に出張するたびに、シェルターに寄っては掃除をしたり散歩させたりで手伝っていた。
もちろん、少ないけど毎回寄付もしてました。

で、そのうち気になる3匹がいて、それが今うちにいるランちゃんとカールくん、それに一緒に保護されたヨーキーの“てっちゃん”だった。

3匹のうち“てっちゃん”は比較的短期間でヨーキー好きのシェルター近所に住む他のおばさんに引き取られましたが、ランちゃん、カールくんはなぜか興味を持つ里親もなし。で、ずーっとシェルター暮らしもかわいそうなんで、ワタシが釜山に出張するたびにシェルターから一時的に出して滞在するホテル(と言っても一週間単位で契約するレンタルアパート)に連れていき、出張中は一緒に過ごすようにしました。

出張中は昼は外出しての仕事だし、夜はいろいろとお誘いがあったりで外食が多い。で、日中は動物病院で一時預かりをしてもらったり、夜もできるだけお酒は飲まないようにして、少しでも早く帰るようにしたり… まぁそれはそれで楽しいわけです。

当時でランちゃんは2歳半、カールくんは1歳半ぐらい?
あっ、もちろんランちゃんはその頃韓国の名前で【テバギ】。カールくんも【カウリ】という韓国風味の名前でございました。

で、シェルターに入っている間、何人かが興味を持って問い合わせてくれるんだけど、ランちゃんは生まれつき病弱で下痢、血便が時々あるし、左後ろ脚に膝蓋骨脱臼の症状がある。おまけに受け口。カールは御覧の通り、ザ・雑種でなかなか引き取り手がいないんです。

で、ワタシも『日本に連れて帰れたらなぁ。』と思ってたけど、韓国から日本に連れて帰る手続きはかなり大変。それに何よりもうちの嫁は、多分犬は嫌いみたい。(嫁さんは結婚するまでずうっと団地住まいだったんで、犬も猫も飼ったことがない。で、昔「イヌ飼いたいなぁ」とこっそり言ったけどいい顔しませんでした。というかすんげーいやな顔されました。)

そうしてシェルターで半年ぐらいたったぐらいかな。ランちゃんもカールもこうなったら日本に連れて帰ってボクが飼う!と保護主のおばさんに伝えると、『えっ!そんなことできるの?』とびっくりされたけど、『だいじょうぶ。オレが全部やります。』と。

ここに至るまでに、いろいろと動物検疫や、動物輸送について調べてたんで、時間さえかければできる、という確信もありました。

とはいえ、犬を韓国から日本に持ち込もうとするといろいろな手続きで8か月ぐらいはかかります。

そこから2匹を連れて帰るために、いろいろな手続きを始めました。

1.) まずマイクロチップを入れる。

2.) 1回目の狂犬病予防接種を行う。

3.) 2回目の狂犬病予防接種を行う。ただし1回目から30日以上間をあけて
 接種をする。

4.) 犬の血液から血清をつくり、それを検査機関に送る。
 韓国には検査機関がないので、日本の相模原にある動検に送ります。
 ここで、韓国での輸出通関も必要になります。
 検査依頼書類は英語ですが(韓国の)獣医のサインが必要です。

5.) 血清を検査して抗体値が基準以上あればOK。

6.) 経過期間として半年間(180日間)、韓国にて飼養しながら状況を
 モニターします。

7.) 180日間が過ぎれば、日本への持ち込みが可能になります。

8.) 日本への出発の前日に韓国の動物検疫所に連れていき、チェックを
 してもらい、書類に許可をもらいます。

9.) 当日は飛行機会社に書類のサインをもらって、連れ出しが可能に
 なります。


一方、日本へ持ち込むためには、

1.) 日本に到着する40日前までに到着予定の空港の、検疫依頼書を提出し、
 動物検疫の予約をとります。

2.) 飛行機を予約し、動物用の貨物スペースも予約します。

3.) 輸送用のケージを用意します。

4.) 日本への到着前日には再度、日本の到着空港の動物検疫所に確認の連絡を
 入れます。

5.) 当日、日本の空港に到着後、検疫書類を提出して検疫を受けます。

6.) 検疫許可が出たらやっと日本の自宅に連れて帰れます。


これを8か月かけて準備するわけですが、協力してくれた釜山の動物病院の先生は、博士号持ってんのに英語は苦手。書類の作成も苦労してたので、できあがった書類をワタシがダブルチェックしながらの作業です。(実は血清を日本に送るのに一回失敗して、書類を作り直す羽目になった)

で、いよいよ日本に連れて帰る日が来ましたが、飛行機の関係で一回につき1頭だったので、とりあえずランちゃんから。でも、この時点で実は最後まで嫁さんにはワンコを連れて帰ることを言えなかった。連れて帰りさえすればなんとかなる。と高をくくって強行突破です。

で、無事日本について、検疫を通過。空港バスに乗って帰るのに、最寄りの駅に車で迎えに来てもらった時に、初めて嫁さんに言いました。『実は…犬連れて帰ってきてん…』 今覚えば我ながらひどいね。

嫁さんあからさまにいやな顔して、無口になりました。めちゃ気まずい。

家に帰ってもランちゃんはワタシにべったり。でも、おばさんは嫌いじゃないんで嫁さんの方にも近寄っていく。そのたびに嫁さんは『あっち行って。』の状態。リビングでも線引いて『ここからこっち側には来させないように。』と、そんな感じ。

トイレはしつけしてたけど、心配だから風呂入る時にはドアを開けて、いつでもタイルの上でできる状態にして。寝る時もワタシの布団に入ってくるので、寝室も別。ハハ。
予想はしてましたけど、ここまでひどいとは….。

もちろん散歩も、エサやりも歯磨きもぜーんぶ私の仕事。次の日はとりあえず病院に行って健康診断もして。

これがだいたい2週間続きました。嫁さん、専業主婦でしたので昼間はランちゃんとずーっといるわけです。最後にはくっついてくるランちゃんに負けたみたいですね。というか、連れて帰って1か月ぐらいたったときだったかな。嫁さんが自分で雑誌の「いぬの気持ち」契約してそれを読んでたのを知った時は、おもわずうれしくて涙が出てきたのを覚えています。

いまではワタシよりも『ランちゃん、ランチャーん』状態です。


でも2か月後。次のミッション。【カールを日本に連れて帰る】際には釜山から連れて帰る前日に家に電話して『ランちゃんのこどもが寂しがってるから、明日連れて帰るわ。』と嫁さんに伝えました。この時は全然反対せずに自分から『写真送れ』と言ってきたぐらいで、ホント案ずるより産むがやすしです。

今では2匹がいても『1匹なら里親が見つかるまで保護犬の預かりをやってもええよー。』と言ってるぐらいです。


苦労して連れて帰った分、2匹にはほんと長生きしてもらいたい。

で、飼い始めた時から決めていることがあります。
病気になって弱ってきたときには、絶対に病院ではなくて自宅でワタシと嫁さんの見ている前で旅立たせてやりたい。

病院で治療を受けながら、あるいは夜中に病院のケージの中で1匹だけでお別れもできずに逝かせることだけは絶対にさせないと決めています。



前回、今回と思わずだらだらと【うちのわんこ】シリーズで書いてしまいました。興味のない人にはホントすいませんです。
次回からはもうちょっと実のあること、書きます。

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